ユーゲントシュテール期の芸術家、とりわけマイセン磁器に於いてはその作品の全てがマイセン人形の名作とされ、極めて高額な作品としても有名なパウル・ショイリッヒ Paul Scheurich(1883-1945)の代表作品。
「貴婦人とムーア少年~Dame mit Mohrenkind」
1919年原型、美術館などでも所蔵展示される希少作品です。
※上段は実際の作品、中段は本作と関連作品「貴婦人とムーア人」のペア展示例
下段写真はパウルショイリッヒの作品制作風景です。
世界で最も美しいと言われるショイリッヒの女性像作品群は各国の美術館や美術書などでも有名です。
モデルナンバーは73312(旧F274/A1012)、カテゴリーはRussische Ballett(ロシアバレエ)に属する作品。
その容姿は通常のマイセン人形枠を超え極めて大型で、大よそ高さ28、幅30、奥行27センチで、その重量は5kgに迫る大作です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが当作は通常のマイセン人形とは違い、在庫としての作品を作りません。
その全てが世界限定か、特別制作依頼におけるLimitierte Auflage(限定制作)となり、実際にこのお人形を見るとしたら美術書などの書籍を頼るしかない現状です。
近年満を持して発表された限定作品はオレンジ単色系で、現在みられる本作の大半はこのタイプです。
他方Limitierte Auflage(限定制作)は多彩色で、こちらの方のが人気が高く購入のハードルが高くなります。
限定制作とは言っても実際は殆ど制作されておらず、6/5現在ドイツマイセン磁器本社HPからも外れており、実際にはすでに購入できない作品であると思われます。
今回入荷作品はその「多彩色」バージョン、しかも珍しい青系で、上記オレンジ系と比べ、彩色が華やかで細部に至るまで細やかに絵付けされている個体です。
また当店で先に出品している同じロシアバレエ人形「貴婦人とムーア人」と同じタイプのデコレーションです。
それにより極めて高額にはなりますが、もともと関連二作として1919年に発表されたショイリッヒのマスターピースであるロシアバレエ人形の頂点2作をペアでそろえることも可能で、これは現在ではほぼ不可能なことです。
残念なことにマイセン人形全体に言えることですが、近年においてはその彩色が簡素化され、当個体のように細部まで凝りに凝ったデコレーションのフィギュリンを見る機会が極めて少なくなりました。
そう意味においても極めて貴重な作品です。
ご期待ください。
6/13 写真を更新いたしました。関連二作品ペアの写真も追加いたしました。すべて実際の作品です。
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