マイセン人形~フィギュリンは世界的に見ても非常に人気が高く、300年近い歴史を誇るマイセン磁器の中でも特に重要なジャンルのひとつです。
マイセン人形には独特の存在感があり、一目でそれとわかる形状や色彩があります。
それこそがマイセン人形の魅力でもありますが…
ここにマイセン人形の異端であり、傑作作品群があります。
パウル・ショイリッヒ Paul Scheurich(1883-1945)の作品群です。
「貴婦人とムーアの少年」
「身支度をする女性と天使」
「蝶になったキアリーナ」
「仮面のダンサー」
「スペインダンサー」
20世紀初頭に出現したパウル・ショイリッヒは、ケンドラーが築き上げた造形を踏襲しつつも、ロココのような華美な装飾をとは違った新しい様式美を作り出しました。パリで「現代装飾美術・産業美術国際展」が開かれた1925年は、いわゆるアール・ヌーヴォーからアール・デコ様式へ移行する時期でした。ショイリッヒはその10年ほど前に、アール・デコを予感させる作品を次々発表しています。1937年のパリ万博では、6点の作品がグランプリを受賞。彼の活躍により、マイセン磁器製作所は再び王者の道を歩むことになったのです。
以降、独特の世界観と作風でマイセンフィギュリンの中でもトップクラスの人気となりました。
その人気は現在でも褪せることなく、マイセンというよりも「ショイリッヒ作品」を専門に集めているコレクターが世界中にいるほどです。
ただし、市場に出ても非常に高額になるのが唯一の難点ともいえます。
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