マイセン・ロココ人形の中でも最大級のペアフィギュリンで1700年代中期に未完の大作として存在した作品「ロココ装束の紳士と淑女~手紙を持つ紳士と扇を持つ淑女」
近日入荷いたします。
※上段は実際の作品、下段写真は「Meissen Collector's Catalogue」1910頃の参考資料です。
誕生過程からして極めて稀有な作品です。
本作最初の原型制作に着手したのは1740年代、王室のお抱え人形師と言われたフリードリッヒ・エリアス・メイヤー(Friedrich Elias Meyer 1723-1785)によるものとされています。
しかし非常に大きく造形に困難を極めたせいか、結局は”未完の大作”として長きにわたり眠りにつくこととなりました。
そして120年の後、1865年、時の造形氏リュードリッヒ(Rüdrich/詳細不明)が掘り起こし、完成させたとされる作品です。
古マイセン生粋のロココ人形はその時代背景からマイセン磁器創成期から1700年代中期ぐらいまでしか制作されず、複雑でバランスの難しい人型、絢爛豪華な金彩や甘美な彩色など制作者泣かせでもあるためか、その大半は18センチ程度の小ぶりなものが主流でしたが、本作はなんと共に35センチを超える古マイセン人形最大級のペアフィギュリンで、その佇まいは圧倒されるほどの存在感と気品、何よりもロココ王侯貴族文化さながらの”美しさ”というオーラ放っています。
特に入荷作品は推定1800年代中後期の制作個体、リュードリッヒが活躍していた正にオリジナル時代のもので、この時代難易度が極めて高いとされた黄色やピンクをふんだんにあしらい、現代のマイセン人形には決して見られない深くコッテリとした19世紀特有のロココ彩色が施されています。
非常に高額ですがマイセン人形をご趣味とされる方にとっては一つの終着点、今後もまず目にすることはできないであろう人形で、はっきり言って選ばれしコレクターのための作品と思います。
ご期待ください。
5/22 写真を更新いたしました。実際の作品です。
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